佐牟田の滝・辻岳(2011.10)

参加者:松沼氏、あゆみ嬢、S名氏、大ちゃん氏

10月23日日曜日。快晴。
ウォークキャンプOBと大隅半島探険に行ってきた。

今回は滝研究家のあゆみ嬢の先導により、大隅半島の秘境の滝「佐牟田の滝」を目指す。

先駆者のブログ情報を元に、一路車を内之浦までかっとばす。

1時間後、小田川林道入口に到着。
想像以上に林道は荒れており、やむなく林道入口で車を泊めて歩くことになった。

事前に印刷しておいた2万5000分の1地形図によると、滝までの距離は2.8km
まあ、往復2時間もあれば着くだろうと思っていた。
(これが後に大惨事を招くことになろうとは・・・)


こんな林道を歩く。
所々落盤が道を塞いでおり、車で来なくてよかったと痛感。

そして林道を歩くこと数十分・・・・

サササッ

突然、黒い物陰が4人の前を横切った。

おぉぉぉおお!!
一同びっくりして腰を抜かす。

なんと黒い影の正体はイノシシちゃん。

中型犬くらいのかわいらしいイノシシであったが、ものすごい猛スピードで4人の前を駆け抜けた。
突進されたらひとたまりもないだろう。

しかしそこはウォークキャンパーOB
「イノシシいるんだね~この山は」
くらいで軽くスルー

なおも4人は佐牟田の滝目指してつき進む。

しばらく歩くと切り立った崖に辿り着いた。


崖の下をのぞきこむと、ごおごおと激しい水しぶきがたっている。

あそこに滝があるな・・・

せっかくなんでこの崖を降りてみることにした。

崖の下にあった滝。
4段くらいの滝の最下流部である。

いったん崖を上がりしばらく進むと、また滝の轟音が聞こえる。
どうやら先ほどの滝の1段目のようだ。

再度、崖を下る。


先ほどの4段の滝の1段目


滝壺には虹がかかっていた。

所々で寄り道しながらも佐牟田の滝目指してなおも山道は続く。

すると・・・

カサカサカサッ

4人の前を再び黒い影が横切った。

よく見るとそれはまたしてもイノシシであった。
しかもさっきよりでかい。
大型犬くらいはあった。

イノシシは4人を見るなり一目散に逃げ出した。
はぐれメタルもびっくりの逃避行であった。

あゆみ嬢いわく、
「おばあちゃんが座っているのかと思った」

こんな山奥にいるおばあちゃんなんて、おば捨て山に捨てられたおばあちゃんか、ダッシュババアくらいであろう。

そんな恐怖体験もありながらも4人の山行は続く。


ほどなく、4人の前に分岐があらわれた。
左側は小田川沿いに続く林道。
右側は小田川を横切って内之浦に抜ける林道。

佐牟田の滝を紹介してたブログに書いてあった通り、この林道を右側に右折。

と、そのとき・・・

ザザザッ

またしても4人の前に大きな黒い影が横切った。
やっぱりイノシシである。
しかし先の2匹より格段にデカイ。
ついに3匹目のイノシシ出現であったが、だんだんでかくなっている。

「次はシシ神様がでるぞ!」
とS名氏は心配していたが、心配してどうこうなる問題でもないので放っておくことにした。

思わぬイノシシ出現3部作がありながらも林道入り口から2時間00分。
やっとの思いで、佐無田橋に辿り着く。


佐牟田橋ではなく佐無田橋

と、ここで重大なミスを犯していることに気づいた。

なんと、2万5千分の1縮尺のはずで印刷した地形図が5万分の1で印刷されていたのだ。
つまり、片道2.8kmと思っていた道のりは実は5.6kmだった。
なかなか豪快な間違いである。
歩いても歩いても着かない訳である。

さて、佐牟田の滝(正しくは佐無田の滝?)ブログ情報によると、佐無田橋を渡り、川の左岸(上流向かって右側)を遡行すると辿り着けると書いてある。

さっそく4人もチャレンジ。


全くあてのない森を突き進む

だが・・・

思った以上の難路
ブログによると、踏み跡程度の道があると書いてあったが踏み跡なんぞどこにもない。

川沿いに歩こうとしても時々巨岩があり、ドン詰まる。
その度に山側から越そうとするがそれもやがて森に阻まれてドン詰まる。

仕方なく、右岸(上流向かって左側)に渡ることにした。


丸太を川に置いて横断中。

右岸に渡りそのまま川を詰めて行くとやがて滝が見えた。
あれが佐牟田の滝か・・・

果敢に接近を試みるも、滝に近づく川沿いの道は両サイド崖で滝に近づくことができない。


仕方ないので、右岸を少し山側に登ってみた

すると・・・


あれれ???林道がある!

まさかの林道
その林道を滝方向に歩いて行くと・・・


滝の真正面に出てしまった。(出ていいんだけど)

今までの苦労は何だったんだ!
そんな焦燥感にひたりながらも無事「佐牟田の滝(佐無田の滝)」に辿り着いた。


水量がすざまじく、ごおごおと地響きを立てて水が流れ落ちている。
なかなか豪快で秘境感たっぷりの滝だ。

しかし島名氏いわく「いい滝であるが費用対効果が非常に小さい滝である」とのこと。

これには一同納得。

たしかに片道2時間半(5.6km)も歩いて見るほどの滝ではないかもしれない。

結局2時間の予定が大きくオーバー。
往復11.2kmを歩き4時間半もの時間を使ってしまった。

その後、南大隅の隠れた観光スポットめぐりを楽しんだ。
詳細は省いて写真だけ。


岸良の根性松(岩の上に松が生えている)


高田の滝


岸良海岸


岸良海岸謎のレリーフ(一説によると歴代町長の顔だとか)
怖すぎる


辺塚
海岸が綺麗すぎる!!


足跡がくっきりつく砂浜
この砂浜で告白して付き合ったら最高じゃないか!という話で盛り上がったが、大ちゃん氏の「フラれた時の被害が半端ない(垂水フェリーまで車で2時間半)」という的確な指摘に一同は納得した。たしかにその通りだ。
実行に移す人は慎重に。時と相手を選んで。

そんなこんなで4人は大隅半島の隠れた名スポットを巡って楽しんだ。

そしてそろそろ日も暮れかかって帰路につく時間が迫ってきた。

しかしここで終わらないのがウォークキャンパーOB

時計が午後4時を廻ったところで、「夕日を見に行かないか」ということになった。

選んだ場所は辻岳

え?こんな夕方から登山?
午前中12km歩いた後に登山?

などとぼやく者は誰もいない。
さすがはウォークキャンプOBである。

登山口に着いた頃には5時を回っていたが、日没まであと30分ある!
ということでヘッドライト持参の上、山頂を目指す。


日没寸前の登山道を歩く。

普段50分かけて登る山を超ウルトラハイペースで28分で登ってやった。
あゆみ嬢様、ハイペースすぎてすみませぬ。
貴女様のへばった姿初めて見ました(笑)

そして・・・


日の入り2分前に辻岳山頂にたどり着いた。


開聞岳と沈む夕日


大自然の偉大さにただ感動


秋の夕暮れ


静かに夜を待つ開聞岳


魚見岳と知林ヶ島。この角度は珍しい。


遠くでは桜島が爆発。


ヘッドライトを頼りに真っ暗の中下山。

こうして4人の大隅半島探険は無事終了。

滝と合わせて15km近く歩いたので足がパンパンになった。
みなさん本当に一日お疲れさまでした!